木の鐸会(きのすずかい)は、人形作家・鐸木能子(1928-2008)がスタートさせた創作人形作家グループです。
創始者・鐸木能子は、1965年、人形作家・大谷鳩枝氏(人間国宝・平田郷陽氏直弟子)に師事し、平田郷陽氏が完成させた「木彫木目込み衣装人形」の技術を習得。その後、衣装に使う布は古代布、仕上げは「ごふん」(貝の粉)にこだわりつつも、石塑や新世代接着剤などの新しい素材を積極的に取り入れ、伝統技法の風合いをそのままに、従来技法の弱点を改善した、独自の人形技法を開拓しました。
日展会友、新工芸会員としてアーティスティックな創作人形を創る一方、伝統技法を生かした新しい気風の雛人形作家として活躍しました。
鐸木能子亡き後も、師の教えを継いだ作家たちによって、木の鐸会は活動を続けています。
毎年、1月に、日本橋と横浜の高島屋美術画廊で「木の鐸会創作雛人形展」が開催されています。
木の鐸会会員による創作雛人形は、木の芯を削り出すところから、衣装の古代布の選定、顔の仕上げまで、一人の作家がすべて手がけた、世界に一つしかない美術工芸品です。
使われている布地だけをとっても、今や日本にほとんど残されていない古代布で、入手が極めて困難なものです。
一般の量産雛人形とは一線を画す存在感、美術的価値の分かるお客様に、愛され続けています。
木の鐸会の雛人形の特徴については
こちらをご覧ください。